技術解説・機材紹介

技術解説:リップシンク

音ズレの具体例を含む解説動画

リップシンクとは?

リップシンク(Lip Sync)とは、直訳すると「唇の同期」となりますが、映像制作の世界では映像信号と音声信号の同期がとれているか否かを表す言葉となります。

太鼓を叩いた瞬間に音が鳴り、手拍子に合わせて音が鳴るのは自然界では当然のことですが、映像制作の世界では、これがズレることがあるのです。

皆さんもYouTubeやオンライン会議などで、たまに経験されるのではないでしょうか?

どんな時にリップシンクがズレるの?

映像と音声では、処理にかかる時間が異なります。

映像信号は音声信号よりも情報量がはるかに多く、テロップや色補正、ビデオキャプチャなど、各処理の段階において一定の時間がかかります。

一方音声は映像よりも信号処理にかかる時間が短く、映像と音声が同時に処理を始めると音声の方が早く処理が終わり、音声が映像より早く再生されることがあります。

これがリップシンクがズレる原因なのです。

リップシンクのズレを調整するには?

音声信号を遅らせて映像信号に合わせることで、見かけ上の画/音の再生タイミングを一致させ、視聴者に違和感を与えないよう調整します。

生放送ではオーディオ遅延装置などを用いて、音声を最大数秒程度遅らせることが出来ます。編集する場合は、編集ソフト上で調整します。

この調整の際、僅かなズレは見逃してしまうので、カメラに向かって手を叩いたり、「パピプペポ」と破裂音を発音して、調整者が容易に調整できるようにするのがお勧めです。

最後に

リップシンクがズレていることを「音ズレ」と言う場合もあります。
実際には画が遅れているので、「画ズレ」だろ!と毎回思うのですが、世の中的には音ズレで通っているようです。

日頃は、音声も付いているのに「映像作品」とか言われているわけです。画と音の代表みたいな扱いで。なのにズレた時だけ音のせいかと!処理に時間がかかって遅れた原因は映像じゃないのかと!!

取り乱してしまいました。

いずれにしても、画と音がピッタリ同期しているのは気持ちが良いものです。皆さんが日頃ご覧になっている映像作品の画音がズレていないのも、この調整がきちんと行われているからなのです。

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