技術解説・機材紹介

回線トラブルを起こしたくない!TVU Networks社 TVU Pack【機材解説】

インターネット接続に関するトラブルを回避するために、事前に余裕を持って本番同様の通信を試すことができたらいいのですが、慌ただしいライブ配信の現場では様々な事情によりそれが叶わないことがあります。
しかし、どんな状況でも「当日配信できませんでした」では済まされないのがライブ配信の現場です。そんな時には「TVU Pack」があれば一安心です。

TVU Packとは?

「TVU Pack」とは、有線のインターネット回線がない場所からでも安定したライブ配信を可能にする映像伝送機器のことです。「TVU One(送信機)」と「TVU Receiver(受信機)」の送受信機のセットを「TVU Pack」と言います。

「TVU One」は、携帯電話でも使用されている4G回線を複数使って「TVU Receiver」に映像・音声を伝送する機器です。アメリカのTVU Networks社が独自開発した「Inverse Stat-Mux+」という技術を使い、送信機側でエンコードしたデータを回線の数に応じて分割し、受信側で分割して送られてきたデータをデコードします。分割することで1つの回線にかかる負担を減らすことができるため、安定した通信を行うことができます。

「TVU Receiver」は「TVU One」から送られてきた映像・音声を受信する機器です。スタジオ等の屋内に設置して利用する機器なので、光回線などの安定したインターネット接続環境が必要です。TVU Oneの各種設定は、TVU Receiverから遠隔操作でも行うことができます。

TVU One(ONE V3)
サイズ:縦190㎜×横120㎜×高さ70㎜
特徴:ONE V3は、内蔵SIM×6、USBドングル×4、Wi-Fi接続、有線LANを合わせて最大12本の回線を束ねた使用が可能。液晶はタッチパネル式で、内蔵バッテリーも備え付けられているため、コンパクトに使用できる。伝送中に、配信を止めずにビットレートを変更することも可能。

TVU Receiver(VS3500)
サイズ:縦264㎜×横437㎜×高さ45㎜
特徴:TVU Networks社のすべての送信機に対応している。送信機から伝送された映像・音声を確認し、必要に応じてビットレートや遅延量などを変更することが可能。各SIMの通信状況をリアルタイムで確認できる。

どんな時に使うの?

TVU Oneを使用すると、有線のインターネット回線がない状況でも安定した映像伝送を行うことができます。
さらに、Routerライセンスを追加することでTVU Oneをモバイルルータのような使用も可能になります(=TVU Router)複数の携帯回線を束ねた高速回線をPCやスマートフォン等から利用できるため、エンコーダから配信プラットフォームへの打ち上げ回線として利用するだけでなく、ZOOMやGoogle Meetなどを使った大事なWEB会議も途切れることなく安定した回線が使用できるので安心です。

TVU Receiverと併用すれば以下のような現場からでもライブ配信することができます。

  • 車内や電車内など、移動しながらの現場
  • 離島や海外など機材を運ぶのが大変な現場
  • 回線が安定しない現場

実際の使用例

TVU Routerを使用した例

WebEXというウェブミーティングツールを使い、東京/名古屋/大阪を繋ぐ3元中継を行なった際のエピソードです。会場に既設の有線回線だとWebEXで通信できない問題が発生しました。

会場の有線回線からはインターネットへの通信も、Youtubeへの打ち上げもできるのに、WebEXのみ通信できません。機材やケーブルを繋ぎ変えるなど様々な方法を試みた結果、携帯のテザリングでは通信できることが分かりました。
しかし、長時間の本番で使用する回線がテザリングのみでは心許ないので避けなければいけません。今回の現場ではTVU Routerを使用する予定がなかったため、途中まではテザリングで現場を乗り切りました。

配信の休憩を見計らって、テザリングからTVU Routerに繋ぎ変えた結果、最後まで安心して配信を終えることができました。

TVU Receiverを併用した例

屋外のため光回線を使用できない地方の会場と、東京の会場を繋いだ2元中継を行いました。

双方の現場で光回線を使用することができれば、GoogleMeetやZOOMなどを利用した通信でも安定した2元中継が可能ですが、屋外や移動中の車内など光回線を使用できない場所では、無線を使った通信が役に立ちます。

TVU Oneは電源を入れて、カメラなどの入力ソースと繋ぐだけのシンプルな仕様です。ビットレートや遅延量など配信に必要な細かい設定が分からなくても、TVU Receiver側で遠隔操作し全設定の変更が可能です。伝送さえできれば、TVU One側では他の業務に集中することができます。

ライブ配信の現場はいつでもそうですが、今回は特に流動的な現場だったため、TVU One側ではなるべく配信の設定や配信中の回線状況などに気を取られなくてもいいように、主な配信業務はTVU Receiver側で行ないました。

その結果、配信中に伝送が途切れることなく、屋外で撮影した映像を視聴者に届けることができました。

まとめ

4G回線を使用しているため、携帯電話の繋がらない地域や地下などからの配信は不可能ですが、様々な事情で光回線が敷設できない現場からでもTVUを使えば高品質で安定したライブ配信ができます。

日本ではまだあまり馴染みのない機材かもしれませんが、TVUを使用した配信に興味がある方、配信環境が整っていない場所でのライブ配信を考えている方など、ぜひお気軽に弊社へご相談ください。

TVU Routerと同様に、無線でも安定したライブ配信を可能にする「BOND」という製品があります。
※BONDについてはこちらの記事をご覧ください。